読み聞かせという名の苦行  乗り越えるための7冊

まず、大前提として。絵本の読み聞かせは、こどもにとっては娯楽かもしれませんが、大人にとっては労働です。それも非常に退屈な労働です。少なくとも、私にとってはそうでした。とにかく眠くなって仕方がないので、絵本に大人も楽しめる要素を発見するとい…

「アナと雪の女王」と、孤児クリストフの世界

ひとりで生きて、何が悪い? 映画『アナと雪の女王』松たか子が歌う本編クリップ 観ました。相当に今さら感がありますが……。まず意外だったのが、エルサの出番が少なく、役割としてもすごく受動的だということ。全然自分から動かない。あれだけ皆レリゴーレ…

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)作者: 上間陽子,岡本尚文出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2017/02/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 本を閉じた時、思い出したのはやはり同級生たちのことだった。かつて、僕はヤンキー…

ぼくのかんがえた東京版「ラ・ラ・ランド」

『ラ・ラ・ランド』Music PV“Another day of sun" ララランド観てきました。とても良かった。もしも、おれが女子だったなら今ごろ原色のワンピースを爆買いキメてたと思います。つきあい始めたばかりのミアとセブがデートするところは実にうらやましかった。…

厄介な隣人

隣人に辟易している。我が家の幼い息子がやかましく泣きわめく時、彼らは容赦なくバンバン壁を叩いてくる。そのこと自体は…まあ確かにこちらが迷惑をかけているという事自体は否定できない。我が家の息子の泣き声はヤバい。窓ガラスがビリビリ震えるほどの声…

夫のちんぽが入らない

夫のちんぽが入らない作者: こだま出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2017/01/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 非常に繊細な内容を含む本であって、これを書くためにはずいぶんな勇気を必要としたことだろうと思うけれど、著者がその勇気…

インターネットは役に立つ

WELQが炎上して、「そもそもインターネットなんかで医療情報を得ようとするのがバカ、さっさと医者に行くべき」ってことになっているような気がするのだけど、自分の実感としては、町医者よりもインターネットを用いた自己診断の方が役に立つ、というケース…

この世界の片隅に

この映画を観たのは、もうずいぶん前のことで、観た後ずっと、自分の中で整理がつけられずにモヤモヤとした気分がつづいていて、それは今こうして文章を書いている時点においても全く解消されていないのだけれど、これだけ時間が経ってもモヤモヤが消えない…

「君の名は。」と「シン・ゴジラ」

君の名は。観てきました。よかった。突っ込みどころだらけの映画で、登場人物の行動に不自然な点が多すぎるようにも思ったけど、結局どうでもよくなった。魅力の方が勝ってしまった。勢い余って、嫌いだったシン・ゴジラのことを好きになってしまったほど、…

「怒り」と「逮捕されるまで」

シン・ゴジラを観にいったら、予告編で渡辺謙が渋い声で「怒り」とタイトルコールしていた。そういや悪人も結構良かったな、なんてことを思い出して、 yoghurt.hatenadiary.com まずは「怒り」の原作を読んでみた。十分に面白かったのだけど、何だか釈然とし…

JM

都会育ちの子どもではなかったから、当然、映画館に通う習慣なんてなくって、つまりおれにとって映画とはゴールデン洋画劇場でみるものだった。多感な時期に観たものはその是非によらず心の深いところに刻まれるから、だからおれの心の中のベストテンはほと…

残酷なオタクが支配する

いつも週刊少年ジャンプの話をしているのと、あとはたぶんルックスのせいで、周囲からオタクだと思われている。そんな気がする。冗談じゃない。おれはオタクじゃない。ただマンガが好きなだけだ。そのマンガだって、オタクがいない方がもっと面白い文化にな…

僕はゆとり世代

もしかすると君は、いわゆるゆとり世代にあたるのかもしれない。 文部科学大臣にゆとり教育は失敗だったと総括されて(実際はそういうことは言っていないような気もするけれど)、悲しんだり憤ったりしているのかもしれない。でも、正直に言ってしまうと、僕…

いびつな父親

http://anond.hatelabo.jp/20160531142404 この人の苦しみに比べれば、ずいぶんレベルの低い話かもしれないけれど、子どもを育てる過程で、自分自身の歪みを突きつけられるようなことは、おれの場合は、わりとよくあることだったりもする。おれは、ほんとう…

ミシンを壊せ!

高校生くらいのころ、世界史を勉強しているとき、自分が神様になったような勘違いをすることがあった。何しろ、世界史の教科書をパラパラとめくるだけで、千年、二千年という単位で人類を眺めることになるし、そういう立場から人類をみていると、やっぱ人類…

君は字が汚い

君は字が汚い。そのことで、信頼を失っている。信頼を失いつづけている。少なくとも私は、字が汚い人間の仕事は一切信用していない。こういうことを書くと、字が汚い連中は決まってこう反論する。 「今どきはもう手書きっていう時代ではありませんよ」 しか…

恐怖症とのつきあい方

振り子が怖い。 振り子の何がそんなに怖いかってことを、どれだけ丁寧に説明したとしても、この文章を読んでくれる方々に伝えることはできないと思う。振り子にかかる重力と慣性が釣り合い、頂点で一瞬静止、再び落下する。その崩壊感覚がおれにはたまらなく…

息子の生命はあたらしい

息子が生まれてもう一年と半年が過ぎた。非力な自分の血を引いているとは思えないほど、息子はパワフルだ。まさか一歳児のパワーに対抗するために、大人が全力を出なさければならないとは思っていなかった。赤子の手を捻るって、イメージほど簡単じゃない。…

壁より卵派だといわれた春樹がよ

http://www.welluneednt.com/entry/2015/01/23/113600 正直、失望しました。確かに、「せっかくの勇気が」というタイトルを読むだけでも、この35歳が返事をもらえなかった理由がよくわかるし、文章のどこを切り取ってもイライラするし、彼を擁護する余地は…

金魚

一昨年の夏、おれは金魚を飼いたかった。体感としては、金魚を飼いたかったのは去年の夏なのだが、そのころのおれは解決しがたい難問に頭を悩ませていたわけで、そんな呑気なことを考える余裕があったはずはない。とすると、やはりあれは一昨年の夏のことだ…

川崎

川崎の事件のことをはじめて耳にしたとき、何とも言えず嫌な感じがした。頭で「嫌だな」と思うのではなくて、腹からドス黒い液体がじっとりと染みだしてくるような肉体的な実感があった。あれほど残虐なことが行われたのだから、当たり前といえば当たり前。…

CookPadで若いふたりが恋をする物語

僕は料理ができない。しかし、そんな僕にも、ぜひとも自らの手で料理をこしらえなければならない、そんな日は訪れるのであって、困り果てた僕はいつものように集合知に賭けた。平たくいうと、Cookpadでてきとうなレシピを拾ってくることに決めたのだ。そこで…

はてなに夢をみていた

まだ生きているものを、少し前に流行った言葉でいうなら「オワコン」ですか、勝手に終わってしまったことにして、あれこれとあげつらうようなことを言うのは、たいへんに失礼なことだし、何よりも自分自身をみじめにする。ずっとそんな風に考えていたので、…

「サザエさん」は、誰がみた夢なのか?

長かった夏が終わり、秋が来る。やがては冬が訪れる。季節は確かに巡りゆくのに、時間は循環したまま、永遠にそこに留まっていて、その世界の住人は誰ひとりとして年をとらない。死ぬものもいない。俗に「サザエさん時空」なんて呼ばれたりするこの時間感覚…

最高の小説!/青沼静哉『モルトモルテ』

早稲田文学6 特装版作者: 青沼静哉,仙田学,間宮緑,多和田葉子,オルガ・トカルチュク,ニコール・クラウス,ドン・デリーロ,千野帽子,朝吹真理子,雪舟えま,松田青子,青木淳悟,福嶋亮大,黒田夏子出版社/メーカー: 早稲田文学会発売日: 2013/09/06メディア: 単行…

横浜でエイが泳いでいる

9月28日正午。万国橋にて。

「エリジウム」と、スラムにも劣るおれの部屋

エリジウム ビジュアルガイド (ShoPro Books)作者: マーク・ソールズベリー,ニール・ブロムカンプ,堂田和美出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション発売日: 2013/09/19メディア: 大型本この商品を含むブログ (6件) を見るものすごく期待していた。天空…

映画「風立ちぬ」と、なかったことにされた人生

風立ちぬ サウンドトラックアーティスト: 久石譲,読売日本交響楽団出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ発売日: 2013/07/17メディア: CDこの商品を含むブログ (47件) を見る国民的作家、なんて大仰な呼び方が許されるのは、この国では村上春樹…

真夜中にiPhoneが鳴りだして、

ぶいぶいうるさいものだから、パスコードを入力してロックを解除したら、Hatena::Dからのメールが届いていた。タイトルは「yoghurtさんについてTwitter上で言及がありました」メール本文には「まぁ、もともとid:yoghurt氏が嫌いだったんですよね」と記されて…

株はたいへんなものを盗んでいきました

オリンピックの東京招致、どうも応援する気になれない。 そんなことしている場合なのかよ、というのがごく正直な感想だ。 オリンピックを開けば景気がよくなるとはいうけれど、それもわかるようでわからない話で、公共投資のお題目としてオリンピックが必要…