生活

恐怖症とのつきあい方

振り子が怖い。 振り子の何がそんなに怖いかってことを、どれだけ丁寧に説明したとしても、この文章を読んでくれる方々に伝えることはできないと思う。振り子にかかる重力と慣性が釣り合い、頂点で一瞬静止、再び落下する。その崩壊感覚がおれにはたまらなく…

息子の生命はあたらしい

息子が生まれてもう一年と半年が過ぎた。非力な自分の血を引いているとは思えないほど、息子はパワフルだ。まさか一歳児のパワーに対抗するために、大人が全力を出なさければならないとは思っていなかった。赤子の手を捻るって、イメージほど簡単じゃない。…

「サザエさん」は、誰がみた夢なのか?

長かった夏が終わり、秋が来る。やがては冬が訪れる。季節は確かに巡りゆくのに、時間は循環したまま、永遠にそこに留まっていて、その世界の住人は誰ひとりとして年をとらない。死ぬものもいない。俗に「サザエさん時空」なんて呼ばれたりするこの時間感覚…

株はたいへんなものを盗んでいきました

オリンピックの東京招致、どうも応援する気になれない。 そんなことしている場合なのかよ、というのがごく正直な感想だ。 オリンピックを開けば景気がよくなるとはいうけれど、それもわかるようでわからない話で、公共投資のお題目としてオリンピックが必要…

生きていくのはたいへんだ

生きていくのは、たいへんだ。 学生のころ想像していたほど、社会は厳しくなかったけれど、想像していたよりもずっと、おれには根性がなかった。 だからやはり、生きていくのはたいへんで、小説や、音楽、写真、漫画、そういったものはおれを助けてはくれな…

バカが床屋談義して、何が悪いの?

バカな人間は喋ってはいけない。無力な人間は何もするべきではない。優秀な僕たちの邪魔になるからね。 これはおれの被害妄想である可能性が高いんだけど、どうもそこかしこでそんなことを言われているような気がしてならない。 バカと暇人のものであったは…

レイシストの友人

つきあいが途絶えてしまってもう長い年月が経つのだが、僕にはかつてレイシストの友人がいた。彼の差別対象は両手の指では足りないほど多岐にわたるものだった。 中国人。韓国人。ユダヤ人。女性。左翼。同性愛者。生活保護受給者。身体障害者。精神障害者。…

金沢、豊かな都市

こないだラジオで聴いた話なんだけども、富山県人には隣県である石川県人に対してコンプレックスを感じる人も少なくないという。 おれの知り合いに富山人はいないから、ほんとうかどうかはわからない。けれども、そうした与太話がえらく説得的に感じられるく…

日常の無責任

ばらの花を、買った。時代錯誤なほどに赤いばらだ。そんなの柄じゃないのは承知の上だし、おれの方だってべつだん赤いばらが好きなわけじゃない、好みで言うなら白に少し緑色がまじったような色合いがおれは好きなんだ。じゃあなんで買ったんだっていうと、…

台風と技師

子供のころに住んでいた島には、年に一度は大きな台風がやってくる。吹き荒れる風は木々をなぎたおし、町の看板を吹き飛ばす。それくらいならまだいいのだけども、空気を読まない風どもは電線までもやがて断ち切り、家々はたやすく停電状態に陥ってしまう。…

せめて、もっと人殺しの顔をしろ

TVでは、芸能人が我々に呼びかけている。「デマに騙されないようにしよう」ずいぶんと難しいことを言ってくれる、とおれは思う。デマに騙されようと思って騙される人間はいない。みな、正しいことをするつもりで間違えるのだ。 芸能人たちはこんなことも言っ…

なぜ、安心しているのか?

不安に陥る、という表現がある。ちょっと前のおれを表すのに、これ以上適した言葉はないだろう。おれは確かに不安に陥っていた。もちろん、不安の源は原発だ。で、今のおれがどういう状態にあるかっていうと、これはなかなか表現が難しい。おれはいま、安心…

それからの十日間

あの地震のあとには、あらゆるものの見え方が変わってしまった。というのはやはり言い過ぎで、変わるものもあれば変わらないものもある。今日の気分はどちらかといえば、変わっていない、という方向に流れているかもしれない。それでも、風のにおいや空の色…

待ちつづける

とある駅の改札口に、誰かを待ちつづける男がいる。男の顔に刻まれた皺は深いものだったけれども、そのからだつきは頑健そのもの、といった雰囲気で、相当な強度の肉体労働に長年従事していたのだろうことが想像できる。中年も半ばを過ぎて、老人の半歩手前…

ブログが殺しにやってくる/ブロガー殺しにやってくる

いまさら、こんなことを言い始めるのもどうかと思うのだけれども、2004年の1月31日。これはこの日記に記された最も古い日付なんだけども、ということは、つまり、おれが日記をつけはじめてから、もう7年弱の月日が流れているということなんだよね。…

もしも、もしも、もしも

もしも、僕が史上最高の超能力者だったら、この世から「もしも」という言葉を放逐してしまうだろう。「もしも」と心のなかでつぶやいたら、それはすでに叶っている、そんな世界を造るだろう。 もしも、誰も死ぬことがなかったら。もしも、世界中の人々が笑っ…

ゆとりをうらやむ歌

人類がいちばん腐っていた時代に生まれ育った老人たちが、今日も若者たちを罵っている。彼らが言うには、最近の若者たちは「とにかく覇気がない」し、「ゆとり教育のせいで競争心を失い」「向上心も持たず」「欲しいものさえもない」「去勢された羊のような…

(我が家の)ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

ずっと、母方の祖父のことが好きではなかった。 そう言い切ってしまうのも実際とはやはり違っていて、より正確に表現するならば、好きだとか嫌いだとかいう以前の問題で、おれは祖父の生き方を全く理解することができなかった、と言うべきなのだろう。おれに…

涙がこぼれそう

ブラウザをGoogleChromeに切り替えてもうずいぶんと時が経つのだけど、今でも誤って以前使っていたFireFoxを立ち上げてしまうことがある。けなげなFireFoxはそのたびに、「Firefox は現在既定のブラウザに設定されていません。既定のブラウザに設定しますか…

沖縄でモテる高校生であるということ

沖縄でモテる高校生であるということは、東京でモテる高校生であるということとは全く事情が違う。たとえば、東京の高校生なら、お洒落なセーターを着ているという理由だけでモテたりするかもしれない。沖縄でそういうことは基本的に起こらない。亜熱帯地方…

下ネタを巡る幾つかの葛藤、もしくは世界同時セックス論

最近、めっきり下ネタが苦手になってしまった。もともとおれは下ネタにはかなり厳しいルールをもって臨むタチだったから、そうなってしまうのもある程度やむをえないことなのかもしれない。厳しいルールというのは、一言で言えば、下ネタには夢がないとダメ…

やっぱセグウエイやで!!レッツビギンやで!!ポジティブや!!

先週末のことなんですが、ひょんなことから、セグウェイに乗ったんですよ。 これ、さらっと書きましたけどね、「セグウェイ」ですよ! セ グ ヴェーーーイ!!! ヴェーーーーイ!「21世紀最大の発明」「人間の移動形態を変える革命的な製品」とまで謳われた伝…

消えた野良犬

上京してもう何年にもなる。東京では、ただの一匹も野良犬を見たことがない。おれはこのことをわりと重大に受け止めていて、さすがは大東京だ、犬畜生に生きる余地など残しはしないぜ、などと考えていたのだが、慎重に記憶を辿ってみれば、東京から遠く離れ…

おれはもうずっと夢の中

上の写真は、去年、ブロガーの方々とヘビセンターを訪れたときのもの。 そのはずだ。 はずだ、なんてあやふやな結語を使ったことにはもちろん理由がある。 本当に夢のようなひと時だったので、現実に起こった出来事なのかどうか、まるで自信を持つことが出来…

吹奏楽部が光なら、管弦楽部は闇なのだ

吹奏楽部に入ると、ブサイクでもモテるという噂を聞いた。かなり信憑性のある話だ。僕の学生時代を思い出しても、チューバ男子は確かにモテていたのだ。そんなことが頭に残っていたせいだろうか。酒の席で、僕は友人に性質の悪い絡み方をしてしまった。 「吹…

我が人生の堀北真希たち

第一部 「絶対零度・堀北真希」「堀北真希などを好む男は、ろくなものにはならない」 堀北真希自身の魅力というよりも、きっかけはむしろ、父の言葉への反発心だったのかもしれない。親父がそういうのなら、おれは堀北真希を愛してやろう。それは、憎悪が反…

人類皆兄弟じゃない

世界がいかに広くとも、血を分けたきょうだいにしか分からぬ話もある。 「スミ……」 例えば、これだ。おそらく誰にも、何のことだかわからないだろうと思う。これから説明をしようとは思っているのだが、僕の拙い説明でこの擬音の持つ魅了をどれだけ語れるこ…

さよなら飲むヨーグルト

おれが日々通勤に使う京浜東北線からは、多摩川の川べりと、川べりに立ち並ぶダンボールハウスの一群が見える。ホームレスたちの建設したダンボールハウス群の中には、テラスにデッキチェアを据え付けたものまであり、朝日に輝く多摩川の光を受けるその姿は…

なんということだ

おれのアイドルだった椎名林檎が、コシノ・ジュンコみたいになってる!

ねむりつづけるどうぶつの森

先日、彼女に別れを告げられた。これで30回目くらいになるだろうか。悪いのはいつだっておれなのだが、おれはどんなときでも謝ったりしない。ただ、ひたすらなだめるだけだ。そして、今回ばかりはもうなだめるだけではどうでもならない気がしている。どう…

邪エロ、猛エロ、大塚愛

最近、巷でちゅーりっぷがどーしたこーした、と歌う曲をよく耳にする。大塚愛の曲なんじゃないかな、と思っているのだけど、確かめるのもめんどうくさいので、ここはチューリップの歌は大塚愛が歌っている、ということで話を進めさせて頂きたい。そんな傲慢…