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オタクからヤンキーへ〜パチンコ倖田來未に思う〜

 さて、パチンコ倖田來未の話なわけだけど、 正しくは「FEVER LIVE IN HALL」というらしい。どうなんだ。ちょっとカッコつけすぎではないか。別に倖田來未がカッコつけたって何の問題もないし、彼女の売り文句は「エロかっこいい」なのだから、むしろカッコつけてもらわなくては困るくらいなのだが、実際のパチンコ倖田來未のデザインを見るとあまりにもデコトラ伝説で、その、なんだ、困る。紫の揚羽蝶と化した倖田來未が輝くその盤面を見て、おれはどうしても彼女の来歴を振り返らずにはいられなかった。
 FF10-2。国民的RPG作品であるファイナルファンタジーシリーズのテーマ曲を歌ったのはなぜか倖田來未であった。ゲーム中で声優までやっていたし、PVも熱唱する倖田來未にゲームのヒロインの画像がオーバーラップするというものだった。さすがに注目度の高い媒体ではあるので、この仕事が倖田來未の名を世間に売り出すことになりはしたのだが、当時から、どうも場違いな人間がポリゴンヌの中に入っているなあという印象を拭うことはできなかった。一般的にいって、オタ族は体臭のなさそうな野菜系女子に惹かれるものだ。焼肉定食にんにく大盛り!的な倖田來未とは相容れないはず。当時から彼女は結構露出度高めのスタイルだったのだけど、その上からゲームのCGモデルが被せられるのでは、どんなにおっぱいを強調したところで意味がないし、そもそも彼女のおっぱいに失礼な話でもある。ほんとうに不思議な組み合わせだ。
 おれが思うに、スクウェアエニックスとしても、いつまでもファイナルファンタジーをV系的センスで作っていくのはマズいと思ったのだろう。FF10の辺りから、キャラクターのデザインをサーフ系・ギャル系にシフトしていこうという努力はしていたように思う。その一環としての倖田來未なのかもしれない。
まあ結局そうした意識改革に関わらず、ファイナルファンタジーはまたV系世界に戻っていってしまったようではあるのだけど、ここではあまり関係のない話だ。
 話を戻そう。おれはもちろん野菜系女子が好きなので(宮崎あおいが結婚したときは途方に暮れた)、倖田來未のことはちょっとカロリー高すぎるんでないの、というくらいの評価なのだけど、ひとつだけ彼女のことを手放しですごいな、と思うことがある。キューティハニーで彼女が見せた綱渡りだ。なぜかエイベックスは倖田來未のことをまだオタクに売りたかったようで、FF10のあともオタ向け仕事をやらされていたようだ。そしてキューティハニーである。庵野監督でサトエリなのでガチオタ仕様とまで言えなくとも、キューティハニーであることに間違いはない。ここでの倖田來未は偉かったな。キューティハニーの「エロ」という側面を自らの資質にリンクさせることで、オタ苦界からの脱却に完全成功。オタ客よりヤンキー客を相手にするほうが、歌謡曲的には成功に近づくわけで、最高にクレバーな選択をしたのだと思う。ヤンキー客相手にしてると、ミニバンに肖像画を描いてもらえたりもするしね。あのまま、向いていないオタク商売を続けていたら、いまのパチンコ倖田來未はなかっただろう。事務所の誤った方針を自ら修正した倖田來未。彼女から学ぶべきは、ひとつの仕事には色んな文脈があって、そのうちのどの文脈を選ぶかは自分次第だってことだろう。彼女は、エロという文脈を発見した。翻って、おれは今の現実にどういう文脈を見出すべきだろうか? そこに、宮崎あおいが再婚相手としておれを選んでくれるか否かがかかっている。まさに全か無か。イメージの綱渡りが必要なのは、倖田來未だけじゃない。