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非モテ、それはオーストラリア大陸

意見

おかげさまで、昨日のエントリは3桁のブクマを獲得することができた。
http://d.hatena.ne.jp/yoghurt/20080416#p1
これはこのブログ始まって以来の記録的な数字である。僕はいま、猛烈に感動している…!まずは、非モテの皆さんにありがとうといいたい。ココロ社さんが500ブクマ!なんて威勢のいいことを言ってくれたので、昨日は「まさか……僕が500……!?」と、どきどきしながらずっと自分の日記を眺めていたのだけど、さすがに500などという天文学的な数字に達することはなさそうだ。とはいえ、500とはいかないまでも、三桁である。500も100も、僕にとっては未体験ゾーンであることには変わりない。僕はにやにやしながらブックマーク画面を眺めていたのだが、よくよく読んでみると、僕をDISるようなフレーズが幾つか散らばっていることに気がついた。「老害」「ねたみ世代」「ルサンチ満々」あげくのはてには、僕の青春をごみだと宣うトラックバックまで到着する始末だ。
許せねえ……!!だいたい、あれだ。君たちは僕のことをねたみ怪人ルサンチマン呼ばわりするが、たぶんそれは、先日の文章の後半部分を捉えてのものだと思う。

少なくとも、インターネットの普及が十分でない時代に生まれたおれたちと同程度の苦しみぐらいは受けるべき。受けるべきよ。そうでないとおれの青春は何だったんだって話になる。そうだろ?

こんなのちょっとした照れ隠しではないか。もっと言えば、文章の落とし所がなかったので、とりあえずオチらしきものを作って体裁を整えてみせただけではないか。それを、なんだ。君たちは。鬼の首でもとったかのようにルサンチルサンチとニーチェ気取り。そんなことでは、尻が限りなく透明に近いと言われても仕方がない。そんなことよりも、本当に伝えたかったのはむしろこの言葉の方なのだ。

貴重な思春期の孤独感をスポイルしてしまっているよ。

ほんとうに、掛け替えがないのだ。10代であり、かつモテないという、その孤独は。例えばの話だが、1000万円出せばおまえにモテモテの30代を与えよう、僕が悪魔にそう囁かれたとしよう。僕はそんな提案など一顧だにしない。1000万も貯金ないし。しかし、これが、1000万円出せば、おまえをモテない10代に戻してやろうという誘いならどうだろうか。僕はカウカウファイナンスから借金してでも悪魔と取引を行うだろう*1
そのくらいモテない10代というのは貴重な時期なのだ。その資源をホモソーシャルなコミュニケーションなどで浪費して欲しくないのだ。ネタにすることで救われるとか、安心できるとか、そんなちっぽけな幸せと取り替えて欲しくはないのだ。不幸せでもいいじゃないか。インターネット、ことにはてなは本当に非モテに甘いので、非モテを扱ってさえいれば、大して面白くもないエントリでも、わりとみんながちやほやしてくれる。僕自身も、ちょっとちやほやして欲しい気分のときに、非モテだのはてな論だのをアップしてしまうのである*2。無論、ちやほやを求めてのことだ。このような環境は、非モテの魂を熟成させるにあたっては好ましいものとは言えない。僕は、まだ若い10代の非モテに、そんなちっぽけなところで満足して欲しくはない。
僕は、君たちに伝えたかった。辛酸や苦渋に潜む旨みを。そして、君たちに、辛酸なめ子や、苦渋のみ太郎としてデビューして欲しかったのだ。紙一重な才能を炸裂させて欲しかったのだ。僕は、非モテがモテるようになって幸せになりましたとさ、と言うようなグローイング・アップにはほとんど関心がない。そんなの、幸せ者がひとり増えただけのことじゃないか。我々人類に益するところは何もない。「ひとりの人間にとっては大きな飛躍だが、人類にとっては小さな一歩である」逆アームストロングじゃないか。僕は、まだ若い10代の非モテに、そんなちっぽけなところで満足して欲しくない。
 僕は若い非モテのことを、オーストラリア大陸だと思っているのだ。彼らはひとりひとりが分断された大陸であり、そこで独自の進化を遂げる有袋類だ。なかには、ディンゴに狩りつくされるフクロオオカミのような非モテ*3もいるだろう。しかしきっと、そこには、強靭なパンチ力をもったカンガルーボクサーもいるはずだし、おれは毒の葉だって平気で喰っちまうんだぜなコアラもいるはずである。僕はそうした進化の芸術を信じている。非モテが磨き上げる才能を信じている。
その芸術のためになら、不幸がどうしたというのだろう。モテがなんだというのだろう。僕の人生。非モテと言い切ってしまうには、あまりにも幸せなエピソードが多すぎた。おかげで、かつてはあったはずの才能も、もうすっかり磨耗してしまっている。非モテ。淘汰圧に立ち向かう珍獣たち。君らには、僕のようになって欲しくはないのだ。
……また今日も少し喋りすぎてしまったみたいだ。きっと僕は非モテのことが大好きでたまらないんだろうな。さて、僕はレオニダスの新作チョコレートを買いに行かなくてはならないから、この辺で失礼させもらうよ。それでは、今日も、あなたの人生に、よき非モテがありますように――。

*1:ちなみに、モテる10代にしてやろうという囁きならどうするか。僕は1億円出す。

*2:つまり、今もそうなのだ

*3:それは、僕だったかもしれない