夢見るブロガー、木造校舎で怪魚と闘う

突然、何もかもが嫌になってしまったので、たらい舟に乗ってid:hey11popさんと佐渡が島に行ってきました。
たらい舟ガール(SDIM0535)
たらい舟を縦横無尽に操るガール。正直なところ、どういう原理で前に進んでいるのかさっぱりわかりません。
しかし、どういう原理で前に進んでいるのか分からないのは我々の人生も全く同じ。
前に進む、と言えば聞こえはいいものの、実際のところは、いつかは訪れる死に向かって漫然と流されているだけに過ぎません。
このままではいけない。
そう思えばこそ、我々は佐渡を訪れることを決意したのです。
古の人々は黄金を求めて佐渡に渡ってきたといいますが、我々は彼らよりもずっと欲深です。
我々の求めるものは、黄金以上に価値あるもの。
すなわち、このクズ社会で失ってしまった我々自身の心にほかなりません。
金山(SDIM0587)

金山(IMGP8381)
「失った心を取り戻したい」
そう願う我々は、たらい舟ガールとともに、ある小学校に辿り着いていました。
校舎遠景(SDIM0592)
木造校舎が我々のノスタルジーを否応なく刺激します。
ここは、佐渡が島の北東部に位置する北小浦ダイビングセンター。
廃校となった小学校の建物を、ダイビングセンターとして再利用した施設です。
ブリーフィングや休憩などは、全て教室で行われるため、まるで臨海学校のような気分でダイビングを楽しむことができるというわけです。
廊下(SDIM0606)

黒板2(SDIM0603)

黒板(SDIM0600)

幼く、純真で、汚れをしらなかったあのころに戻れる。
失った心を、取り戻すことができる。
浮かれていた僕は、肝心要のことを忘れていました。
そもそも、僕は、小学生のころから、十分にひねくれていて、純真な心など持っていなかったのです……。
脳みそのどこをさらってみても、見つかるものはガラクタめいたクズ記憶ばかり。
絶望……。いや、それ以前の問題です。
絶たれるほどの望みなど、そもそも僕にはなかったのです。
居たたまれなくなった僕は、窓辺から海に向かってダイブしました。
二十七歳でした。

P1010041

そこで僕を待ち受けていたのは、醜悪な怪魚でした。

P1010042

まるで昭和の政治家を思わせる面構え……。
彼の名はコブダイ
彼の種族は、全員がメスとして生まれ、群れの中で最強の力を持った一匹だけがオスに性転換するという性質をもっています。
醜くふくれあがった額と顎は、彼がオスであることを証明するものです。

P1010040

「権力だ……」
怪魚の声が、水を伝って僕の脳裏に響きました。
「権力なのだ……。全ては権力ッ。
権力さえあれば、心があるとかないとかくだらないことを思い悩むこともない……。
わかるか? 権力の前では心などクズ同然……。
おまえはそのことに気がついているはずなのに、気がつかない振りをしている。
己の弱さに耐えられないから……! 
心なんて、あろうがなかろうがどうだっていい。
おまえが弱いことが、一番の問題なのだ……」
あるいは、それは窒素酔いがもたらした幻聴だったのかもしれません。
しかし、怪魚の声が、まぼろしだったとしても、そのときの僕が怪魚に反論することができなかったことは、動かすことのできない真実でした。
僕が彼に打ち勝つためには、さらなる旅が必要だったのです。
次回の旅グルトの舞台は、宿根木。
時が停まってしまったかのような港町でみつけた、コブダイに打ち勝つためのたったひとつの冴えた方法を紹介します!