子供の王国

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どうして、こんなことになってしまったのだろう。


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この階段をみると、その疑問の答えも何となくわかったような気になる。おれには建築工学の知識が全くないので、もちろんこれは素人の印象に過ぎないのだけども、これでは全く強度が保てないのではないか。これほど頼りない階段をみたのは生まれてはじめてのことで、登っている間は全く生きた心地がしなかった。天井も、真横からみるとまるでウエハースのように薄っぺらい。こんな弱々しいものの上で、とんだりはねたりしていたかと思うと心底ぞっとした。そういえば、下の階には、人間の頭ほどのコンクリートの塊が転がっていた。ということは、それがいつおれの頭を直撃してもおかしくなかったってことだし、おれがいつこの屋根を踏み抜いてもおかしくないってことだ。
この建物のデザインは大変に素晴らしい。地形を活かして、建物の中に坂道があったりするところなんて最高に興奮する。どうってことのない石灰岩がロビーに飾っているのも面白い。セメントとコンクリートでこの土地の伝統的な建築を模したのであろうその外観は、伝統建築そのものよりもずっと、この土地の風景に似合っている。きっと建築家もかなりの熱意をもってこの建物を設計したんだろう。しかし、それでいて、どうにもこの建物は安普請なのだ。アイデアは有り余るほど有るのだけれども、それを形造るだけの根気がなくて、あらゆるものがちぐはぐなまま放り出されてしまっている。あれもしたい、これもしたいと夢ばかりが大きく膨らんで、手がまるで追いついていない。おれは夏休みの自由工作を思い出す。おれがつくるものも、だいたいいつもこんな感じだ。子供のころも、大人になってからも。
この巨大な建築物は、一度として使用されることのないままに廃墟となりはててしまったが、壁面の至る所に名もなき芸術家たちが素晴らしい作品を描いてくれている。



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