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東京の島々 III

写真

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東京の島々
東京の島々II

写真は八丈島の八丈富士。火山である。この山の火口のふちをぐるりと周ることを、「お鉢巡り」というらしい。僕はこれをやるために、東海汽船に一晩ゆられてこの島にやってきたのだ。結果から先に書いてしまうと、僕は「お鉢巡り」をやりとげることはできなかった。山から転げ落ちることが恐ろしく、途中で引き返してしまったのだ。「お鉢巡り」とは実に適切なネーミングだった。僕が歩くべき道は、まさにお鉢のふちのように薄く、鋭く切り立っていた。お鉢の内側に落ちたとしても、外側に落ちたとしても、よくて骨折、運が悪ければ即死したっておかしくないように思えた。

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「ちょっと大袈裟に言い過ぎなんじゃないの?」なんておっしゃる方もいるかもしれない。正直、僕もそう思う。今回載せた写真を見返してみると、明らかに人がかんたんにすれ違うことができるくらいの広さがある……。だが、ちょっと待ってほしい。これはむしろ、写真を撮る余裕を持てたのがそこだけだった、というだけなのでは? *1道の難易度がほんとうにエクストリームな領域に達してからは、もはやシャッターを切ることさえできなかったのでは? 写真には写らない、というか写せなかった恐ろしさがこの山にはあったはずなのだ。

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それでも、何とかその恐ろしさを伝えようと撮ったのがこの写真だ。写真の奥の方のエッジの立ち方に注目してほしい。これはもう天然の平均台だ。加えて、この日は猛烈にガスが出ていて、自分の足元しか確認できないような状況だった。写真ではそうは見えないかもしれないけれど、それは霧が晴れたときを狙ってカメラを取り出したというだけのことで、ほんとうはほとんど何もみえないような状況だったはずなのだ。
言い訳を重ねるようで、みっともないけれど、八丈富士はマジでヤバかったのです。引き返したのは臆病というよりもむしろ冷静な判断によるものだった。負け惜しみでなくそう思う。思うのだけど、「八丈富士」「お鉢巡り」という単語で検索しても、見つかるのは「お鉢巡り」を成し遂げたブログばかりだ。とくにアウトドアを趣味としているわけでもなさそうな、普通のおばちゃんでさえも、わりと余裕でこのステージをクリアしているようなのだ。
ビビっているのはおれだけだったのか? 
その疑念が、喉に刺さった魚の小骨のように、いまも僕を苦しめている。ともかく、勇気と実力を兼ね備えたはてな市民なら、僕とは違い、八丈富士を難なくクリアできるはずだ。ぜひ僕のたどりつくことのできなかった鉢の裏側をみてきてほしい。(何だか昔のファミ通の攻略本のようになってしまった……。)

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八丈島については、あまりガイドブックが出ていない。この本にしても、メインは小笠原で、八丈島にはそれほど多くのページが割かれているわけではないけれど、ざっくりとイメージを掴むには参考になるかもしれない。
TOKYO ISLANDS 島もよう 大島/利島/新島/式根島/神津島

TOKYO ISLANDS 島もよう 大島/利島/新島/式根島/神津島

八丈島方面の情報は収録されていないけれど、大島方面ならこの本がオススメです。

*1:去年の夏の話なので、何もかもがうろ覚えだ